【東京23区】短期転売都心に集中
2026.02.28

東京のマンション市場で、短期転売の対象が都心物件に集中する傾向が目立っている。民間調査によると、2025年には千代田区の築5年以内の物件のうち約5%の戸数が売りに出て、23区平均の2倍の転売率を示した。中央区や港区も高い。マンション戸数全体からみれば比率は低いが一部の高額転売が周辺相場をつり上げる懸念はある。
不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が24日に発表した。築5年以内のマンションを対象に流通市場で売りに出た戸数を調べ、総戸数で割って短期転売率を算出した。東京23区の平均は25年に2.49%と、前年(2.29%)から上がった。比率は千代田区(4.92%)、中央区(4.66%)、港区(4.57%)など都心ほど高い。転売時の価格が新築時に比べてどれぐらい上がっているかを示す値上げ率をみると、東京23区の平均では6割高くなっていた。中央区や港区では平均で新築価格の2倍で売り出されており、強気な価格設定が目立つ。
転売率を物件ごとにみると、全戸数の2割が築5年以内に売り出されたものもある。際立つのは、都心を中心に、転売率と値上げ率がともに近年大きく上昇している点だ。例えば千代田区は19年時点で転売率が2.24%、値上げ率が22.3%だった。25年はそれぞれ4.92%、62.6%になった。マンションの投機的な売買は国や自治体も問題視している。国土交通省は25年11月に実態調査を公表し、24年1~6月に取引された23区の物件のうち9.3%が取得後1年以内の売買だったと指摘した。同比率は23年(5.7%)から大きく上がっている。
千代田区は25年7月、一部の新築マンションの転売を5年間禁止する特約を導入するよう、デベロッパーでつくる不動産協会(東京・千代田)に要請した。相場の急上昇は足元の売買の動きにも影響を与えている。東日本不動産流通機構(東京・中央)のデータによると、26年1月の都心3区(千代田、中央、港)では売り出しの希望価格が1平方メートルあたり334万円だったのに対し、実際の成約価格は255万円にとどまった。24年後半から売り出し価格と成約価格の差の広がりが目立っている。東京カンテイによると、都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)のマンション在庫は26年1月時点で4260戸。直近ピークだった23年3月を上回り、過去最高水準だ。売り手の希望価格で成約せず、売れ残った物件が増えていることを示す。値下げする物件の比率も増加傾向にある。売り手主導の強気な値付けにはひずみが出始めている。

