銀行、住宅ローン戦略を再び強化!
2026.02.28

銀行が住宅ローン戦略を再び強化する流れが出てきた。りそな銀行は借入金の上限引き上げや共働き世帯向けのペアローン商品を拡充する。広島銀行は対面の相談拠点を増やし、新規顧客を開拓する。住宅ローンを預金や決済取引を広げる重要な入り口と位置づける。住宅ローンは長期の取引で毎月返済が生じるため、借入先の銀行に生活の基盤となるメイン口座を置く顧客が多い。銀行にとっては流出リスクが低い預金の獲得を期待できる面がある。
りそな銀行は住宅ローンの借入上限を1億円から3億円に引き上げたほか、ペアローン契約書のいずれかに不測の事態があった場合に契約者双方のローン残高がゼロになる団体信用生命保険(団信)を導入するなど、商品内容の拡充を通じて新規預金の獲得を狙う。広島銀は住宅ローンから資産運用までワンストップで相談に応じる「ライフコンサルプラザ」を増やす。これまでに県内の商業施設をはじめ5ヵ所に設置した。住宅ローンの変動金利も県内最低水準を維持し攻撃をかける。広島銀の住宅ローン残高は2025年度上期に平均で1兆2922億円と前年同期比で約9%増えた。ローンのある顧客の預金や投資信託を含めた資産残高は、ローンがない顧客の約3倍にのぼるという。
百五銀行も住宅メーカーとの連携を強めるなど住宅ローン推進に力を入れる。審査に必要な情報を住宅メーカーに提供し、手続き上の助言も行う。武蔵野銀行は環境等配慮型住宅向けの優遇ローンやペアローン向けの団信といった商品拡充などで、子育て世帯の預金を狙う。七十七銀行や栃木銀行も個人預金の獲得手段の一つに住宅ローンの推進を掲げる。
日銀の利上げで貸出金利が上がるなかでも、住宅ローン需要はなお根強い。日銀が実施した1月の主要銀行貸出動向アンケート調査では、住宅ローンの資金需要の強さを示す指数(DI)はゼロと、5四半期ぶりにマイナス圏を脱した。日銀によると、銀行の住宅ローン貸出残高は25年12月時点で前年同月日3.5%増の156兆5604億円だった。住宅価格の高騰で1件あたりの借入額が増加しており、23年12月以降は3%を超える伸びが続く。住宅ローンの金利は変動型が主流で基準金利は上昇局面にあるが、銀行間の競争が激しく引き上げ幅は限定的になりやすい。住宅ローンは事業性融資に比べ貸し倒れリスクは低い。日銀によると、住宅ローンの延滞率は25年6月時点で大手行が0.07%、地銀が0.11%とマイナス金利解除後も低位で推移する。住宅ローンはデフォルト率が相対的に低く、銀行にとっては個人向け融資の柱となる商品だ。もっとも2000年代以降は金利競争の激化で採算性が悪化し、足元では距離を置く銀行も出てきた。

