都、割安住宅の容積率緩和
2026.01.23

東京都は手ごろな賃料で住める住宅の民間整備を促すため、マンションや複合施設の容積率を緩和する新制度を2026年度にも導入する方針だ。近隣の市場相場の8割以下の賃料を目安とし、整備する戸数の規模などに応じて床面積を上乗せする仕組みを検討している。都心の賃料が高騰するなか、国内初とみられる枠組みを通じて子育て世帯などが住みやすい住宅環境を整える。容積率は敷地面積に対する延べ床面積の割合で、上限を緩和する仕組みがある。開発事業者にとっては容積率が高いほど採算性が高まる。不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)によると、25年11月の23区の分譲マンション賃料は最高値を2カ月連続で更新した。民間に割安物件の整備を促し、子育て世帯の戸外への流出を防ぐ。
都は都心部などで良質な住宅を整備したり、古いマンションを建て替えたりする場合に容積率を最大で200~500%程度緩和する複数の制度をもつ。周辺の相場より安い賃料の住宅を整備すれば、床面積の上乗せを認める方針だ。使う制度や場所により上乗せ幅は異なる。例えば、敷地面積が4000平方メートルの物件で容積率を100%上乗せすると、延床面積は単純計算で4000平方メートル増える。仮に増えた床面積で従来よりも50戸多く整備する場合、一部の住戸の家賃を8割以下に設定しても、物件全体として開発事業者は従来の利益水準を確保できる。
容積率を上乗せする対象物件とは別の建物で、割安な賃料の住宅を整備する場合に対象物件の容積率を緩和する制度も検討する。同じエリアの別の場所に新設したり、別の場所にある建物をリノベーションしたりする場合でも緩和を受けられる仕組みを検討している。いずれも開発事業者が賃料を相場より安く設定しても、事業全体として利益を確保できるようにすることで、都心部でも割安な賃料の住宅の整備を進める狙いがある。こうした住宅はアフォーダブル住宅と呼ばれ、都は自前でもアフォーダブル住宅の供給に乗り出している。都が100億円を出資し、民間から100億円以上の資金を集める総額200億円以上の官民連携ファンドを組成し、アフォーダブル住宅に投資する。

