中古マンション1年で38%高
2025.08.30

東京23区の中古マンション価格が3ヵ月連続で1億円を超えた。7月の平均希望売り出し価格は前月比1.4%高の70平方メートルあたり1億477万円で最高値を更新した。供給が減る新築マンションの代替として、中古マンションの需要が高まっている。不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が21日に発表した。調査は事務所や店舗用を除いた専有面積が30平方メートル以上のファミリータイプの物件を対象としている。東京23区は15カ月連続で前月を上回り、データが確認できる1997年1月以降の最高値だった。前年同月と比べると38.7%高い。
新築マンションの供給減少が一因だ。不動産経済研究所によると、24年に販売された東京23区の新築マンションの販売戸数は8275戸で前年比30.5%減った。新築マンションの選択肢が減った分の需要が中古マンションへ流れ、相場が押し上げられている。東京23区では、中古マンションでも1億円を超える「億ション」が珍しくなくなりつつある。都心では中古の億ションの割合が半数を超える区も出てきた。港区は54.5%、千代田区は51.2%だった。都心の一等地では、築年数が30年もしくは40年を超えても億ションとして売り出される例が増えたという。東京カンテイによると、都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)の7月の平均希望売り出し価格は前月比1.7%高の70平方メートルあたり1億6699万円。データが確認できる2004年1月以降の最高値を更新した。国内外の富裕層による投資資金が流入し、足元の株高による資産効果も追い風のようだ。値上がりだった東京23区と大阪市は、資産性の高さや将来の価格上昇への期待から投資資金が入りやすいエリアだ。主に実際に住むことを想定した実需層が購入するエリアと対照的な結果だ。投資マネーが集まりやすいエリアと実需主体のエリアで価格動向の違いが顕著になる可能性もある。