【全国】2.7%地価上昇!円安で投資7割増
2025.03.21

国土交通省が18日発表した2025年1月1日時点の公示地価は、全用途の全国平均が前年比で2.7%上昇した。伸びは前年の2.3%を上回り、バブル崩壊後の1992年以降で最高となった。人口減が進んでも、円安や低金利で調達コストの安い日本市場に海外からの投資マネーが集まっている。
地価はバブル期の91年に全用途の全国平均が11.3%の上昇を記録した後、92年に4.6%下落し、長く低迷した。不動産の「ミニバブル」と呼ばれた2008年でも伸び率は1.7%だった。バブル期の地価は上昇率が10%を超え、最大2~3%台で推移していた消費者物価の伸び率とは大きな開きがあった。現在は地価も物価も伸びはほぼ同じ水準で、資産インフレの色が濃かったバブル期とは様相が異なる。上昇をけん引したのは東京圏をはじめとする大都市だ。東京23区の商業地は11.8%上昇した。商業地の最高価格地点は19年連続で東京都中央区の山野楽器銀座本店となり、1平方メートルあたり6050万円と前年から8.6%上がった。
背景には日本の不動産市場に流れ込む投資マネーの存在がある。不動産サービス大手の米ジョーンズラングラサール(JLL)によると、24年の国内の商業用不動産投資額は計5.5兆円で前年から6割ほど増えた。5兆円台に乗ったのは不動産市場にマネーが集まった15年以来となる。24年の不動産投資額のうち海外の投資家分はおよそ1兆円で、前年から7割ほど増加した。JLLが調べた米ドル換算の24年の投資額を国別に見ると、日本は米国、英国に次いで3位だった。都市別では東京がニューヨークに次2位となった。足もとでも米投資ファンドのブラックストーンは25年に、西武ホールディングスから複合ビル「東京ガーデンテラス紀尾井町」(東京・千代田)を約4000億円で取得した。今回の地価上昇はバブル期とは異なり実需を伴っている。日本では新型コロナウイルス禍後に海外ほどテレワークなどは広がらず、住環境を含めた都市部への回帰が需要を生んでいる。足元で米国の関税政策などにより世界経済の不確実性が高まる。景気が減速すれば、日本に向かう投資マネーが減り、上昇が続いている地価に影響を与える。建設業では資材の高騰にくわえ人手不足により人件費も上昇する。今後もコスト上昇が続けば、地方を中心に商業地の再開発やマンション建設の見直しが広がる可能性がある。