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建て替え・リノベ条件緩和

2025.03.16

政府は老朽マンションの増加に備え、建て替え要件を緩和する。今国会に改正法案を提出し、所有者が建て替えや1棟丸ごとのリノベーションを決める際の条件を緩める。マンションは国民の8人に1人が住み、戸建てからの移住も目立つ。築40年以上の物件は20年後に3.4倍に増える見込みで対策を急ぐ。

4日に関連する法案を閣議決定した。基本的な権利関係を定めた区分所有法などをまとめて「マンションの管理・再生の円滑化等のための改正法案」として通常国会に提出した。法案が成立すれば一部を除いて2026年4月にも施行する。現在マンションの再生の決議には所有者全員の賛成が原則必要だ。建て替えのみ所有者の5分の4以上の賛成で実行に移すことができる。法改正により、建て替え以外の再生手法でも5分の4以上の賛成で決議できるようにする。具体的な再生手法は柱や梁(はり)などの主要な構造部分を残して全体を改修する1棟丸ごとのリノベーションや建物を解体して用地を売却する「取り壊し・売却」などの7つだ。耐震性の不足やバリアフリー基準に適合していないといった問題があるマンションについては、建て替えでも再生でも4分の3以上の賛成で決議できるようにもする。建て替え以外の手法でも所有者らで設立する事業組合へ税制優遇で支援する。

コスト面でも建て替えを後押しする新たな仕組みを創設すると盛り込む。マンションの建て替え時に隣接する民家や駐車場の所有者が、古い物件の所有権と引き換えに新たな物件の区分所有権を得られるようにする。現行法では、既存の物件外の所有者に区分所有権を付与することができず、取得価格に相当する補償金を支払う必要があった。ほかに、耐震性が不足する建て替えの場合は、隣り合う土地の環境を確保するために設けている高さ制限を自治体が特例で緩和できる措置も設ける。

国土交通省によると23年末に国内でおよそ700万戸のマンションがあった。国勢調査での1世帯あたりの平均人員の2.2人から推計すると国民のおよそ8人に1人がマンションに居住する。マンションに関する政策の重要性は高まっている。一方で築40年以上のマンションは43年末に23年末比3.4倍の464万戸に増える。今後、古くなった物件の増加とともに、管理が行き届いていない物件や自治会が機能不全で再生に進むことができない物件が増えるとの懸念がある。高度経済成長期に建てられたマンションでは既に管理不全で外壁などが傷んだ物件もある。1997年の建築基準法改正で普及したタワーマンションでも今後老朽化は進むため、政府は法改正により今から制度を整える。建て替えや再生の前段階で管理不全とならないための策も盛り込む。修繕の決議の際に、所在が不明な所有者や集会の欠席者を決議の母数から除外できるようにする。新築段階から分譲事業者が管理計画を作成して国などの認定を得る仕組みも作る。

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