中古マンションも「億ション」
2025.01.19
2024年高騰が注目されたのがマンションだった。都内では新築物件だけでなく、中古も「億ション」になり、実需層には手の届かない価格になった。需給動向を反映しやすい中古市場では都心部での高騰が全体をけん引きする構図が鮮明だ。東京23区の中古マンションの平均希望売り出し価格は、2024年11月時点で70平方メートル当たり8531万円となった。前年同月比20%高い。都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)では1年で3割上がり、1億4128万円に達した。相場を押し上げた一因は海外からの投資マネー。東京は世界の主要都市と比べるとマンションの価格が安いうえに円安基調も重なって、海外からの資金流入が続く。24年は市況に変調も見えてきた。都区部の上昇に引っ張られるかたちで上昇してきた周辺エリアの相場が弱含んだ。埼玉、千葉、神奈川の3県は中古マンション価格はいずれも前年同月を下回ることが多かった。価格が上がりすぎたことで、買い手側による物件の選別が始まっているという。日当たりや建物に面する道路の広さなど細かく検討するようになった。「建物の魅力がいまひとつの物件が買われなくなっている」。これまでは都心に立地していれば、売れたという地合いは変わり、相場の勢いも鈍りそうな気配がでている。