【東京23区9月】中古マンション3.9%高
2024.10.26
不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が24日発表した9月の中古マンションの平均希望売り出し価格は、東京23区で前月比3.9%高の8053万円となった。海外投資家などの旺盛な需要を背景に初めて8000万円を超えた。半面、周辺エリアでは住宅ローン金利の上昇を懸念する実需層による需要が鈍り、相場に勢いがなくなっている。
調査は事務所や店舗用を除いた専有面積が30平方メートル以上のファミリータイプ物件が対象になる。23区のなかでも海外投資家や富裕層が主な購買層になる都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)は5.1%高の1億3407万円で20ヵ月連続の上昇。旺盛な需要に加えて、比較的築年数が浅い物件が市場で売りに出されて上げ幅が大きくなった。都区部がけん引して埼玉県と千葉県、神奈川県を含んだ首都圏は前月比2.2%高の4809万円となった。ただ、実需層が買い手となる周辺3県では相場に力強さはない。神奈川県は前月比0.2%高の3655万円、千葉県は1.3%高で2713万円、埼玉県は1.3%高で2713万円、埼玉県は0.1%安の2912万円だった。日銀のマイナス金利解除後、金融機関の間では住宅ローンの金利引き上げの動きが出ている。周辺エリアで金利の上昇を心配してマンションの購入に踏み切れない人が多く、価格が上がらなくなっている。