【変動型住宅ローン】最優遇金利据え置き!
2024.09.29
三菱UFJ銀行は10月適用分の住宅ローンで、新規顧客向けの変動型の最優遇金利を9月と同じ0.345%のまま据え置く。7月の日銀の追加利上げにより優遇前の指標となる基準金利を上げる一方、基準金利から差し引く優遇幅を拡大する。
最優遇金利は多くの借り手に適用される住宅ローンの看板となる金利で、各行が低利で競い合う。10月は多くの銀行が最優遇金利も引き上げると見込まれ、三菱UFJ銀は金利を据え置き新たな顧客の獲得を目指す。住宅ローン金利は短期プライムレート(短プラ)に沿った基準金利から借り手の信用力にあわせて優遇幅を割り引いて決める。三菱UFJ銀は10月の変動型の基準金利を17年ぶりに引き上げて2.475%から2.625%に設定する一方、新規の顧客向けの優遇適用後の最優遇金利を0.345%で維持する。過去の基準金利の上昇時には最優遇金利も合わせて上げる場合が多く、最優遇金利を据え置くのは異例だ。既存の契約者は、契約時の優遇幅が適用されるため、基準金利の引き上げに伴い適用金利は0.15%上昇する。背景には、インターネット専業銀行の攻勢がある。ネット銀は金利の低さなどを売り物にシェアをたかめており、住宅ローンの実行額では既にメガバンクをしのぐ。ネット銀にも対抗できる金利水準とする。三菱UFJ銀は住宅ローンを起点に、顧客との取引を資産運用などに広げていけば、採算を確保できると判断した。2024年に入り住宅ローンの審査から実行までの期間短縮をはかっている。競争力のある金利と利便性の向上によって、個人取引分野の主力の住宅ローン市場でシェアを高めていきたい考えだ。