【東京23区】中古マンション17年ぶり上昇率!前月比2.6%高
2024.09.27
東京23区にある中古マンションの2024年8月の平均売り出し価格は前月比2.6%高の7750万円と17年ぶりの高い上昇率になった。株価の乱高下を受け、相対的に安定した現物資産である不動産に対する投資家需要が強まった。売りに出されている物件が減少傾向にあることも相場を支えている。
不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が24日、ファミリータイプの物件を対象に70平方メートルあたりの価格動向を発表した。23区での値上がりは4カ月連続だ。上昇率は、不動産のミニバブルといわれていた時期にあたる07年10月以来の高水準だった。特に人気の高い都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)は3.9%高の1億2756万円だった。19カ月連続の上昇で、リーマン・ショックから市場が立ち直り始めた09年12月以来の上昇率だった。
現物資産を求めるムードが高まったことを受け、売り手は価格を引き上げて中古市場でマンションを売却した。中古マンションは流通戸数が減少傾向にある。
23区内では8月に新規に2519戸が売りに出された。8月時点で計1万2252戸が流通しており、直近でピークだった2月と比べると19%減った。一段の値上がりを期待して売るのを手控える物件所有者が少なくないという。特に都心6区では供給の絞り込みが顕著だ。区外も含む東京都全体の8月の価格上昇率は前月比2.4%だった。首都圏では、埼玉県が1.2%、千葉県が0.3%、神奈川県が0.9%だった。近畿圏では大阪府が0.4%の上昇で、兵庫県は0.1%の下落となった。都心では、投資家や富裕層が買い手の中心だ。物件価格の上昇が続いているうえ、金利上昇局面に入ったことで、実需層はますます手を出しにくくなっている。転売による値上がり益を得られる状況が続いており、今後も中古マンション市場の格差は広がりそうだ。