高卒の求人倍率最高!バブル超え3.7倍
2024.09.16
2025年春卒業の高校生の採用選考が16日に始まった。少子高齢化で若手人材の確保が難しくなる中、大卒に加えて高卒も取り込もうとする動きが目立つ。求人倍率は過去最高で、特に工業高校は20倍超に達するなど採用難は深刻だ。各社は賃上げなどで、令和の「金の卵」に自社の魅力をアピールする。行政、学校、経済界が協議して、未成年も含まれる高校生の就活には大学生と異なるルールを設ける。企業は7月1日から求人を学校側に申し込んだり、訪問したりできる。
厚生労働省によると、25年春の卒業直後に就職を希望する高校生の求職者数は7月末時点で、前年同期比0.1%減の約12万6000人。これに対し高卒への求人数は4.8%増の約46万5000人で、求人倍率は3.7倍。7月末時点ではバブル期を超える過去最高を記録した。全国工業高等学校長協会によると就職率が6割に上る工業高校では、23年卒の求人倍率は20.6倍と特に高かった。各業界で人手不足の深刻さが増すなか、大卒に加えて高卒採用を始める企業も出てきている。高卒採用支援のジンジブの調査によると、今年、高卒採用を実施する企業のうち約3割が5年以内に採用を始めていた。25年卒の採用計画では3割超の企業が募集人数を増やすとしており、若手人材の採用に前向きだ。24年春入社の高卒者の初任給の賃上げを実施した企業も65.5%に上り、待遇面の改善も進む。