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中国住宅「青田買い」が減少

2024.09.09

中国の住宅市場で完成前の予約購入を避ける動きが広がってきた。新築の販売額に占める比率は18年ぶりの低さとなった。住宅不況で資金繰り難に陥った不動産開発会社による工事中断が相次ぎ、完成前の「青田買い」を敬遠する消費者が増えている。

予約販売は不動産開発会社にとって資金回収までの期間が短く、新たな開発を進めやすい。住宅供給を拡大する観点から中国の住宅購入の主要な方法として定着した。不動産市場が拡大して価格が上昇した場合でも消費者は割安に購入できるメリットがあった。国家統計局によると、1~7月の新築販売面積は前年同期より21%少なかった。全体でみれば住宅販売は落ち込みに歯止めがかかっていないが、完成前の予約販売と完成後販売は2割増えた。新築販売額全体に占める完成後販売の比率は20%を超えた。各年1~7月で比較すると2006年以来の高さとなった。

マンションの販売現場も「青田買い」への警戒感を強める消費者を安心させようと腐心する。中国共産党や政府も引渡しの遅れという不満が政府批判に向かいかねないと警戒する。党が7月に開いた第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)の決定全文は「予約販売制度の改革」を盛り込み、完成後物件の販売を推進する方針を決めた。

地方政府は方針に基づき、具体策を打ち出してきた。完成後の販売を条件に開発企業に税優遇を認めたり、銀行の融資枠を増やしたりする動きがある。完成後物件を買う家主が住宅ローンを借りる際に地場銀行などに審査を優先させるという措置もある。広州市は8月、分譲型の公営住宅をすべて完成後販売に切り替える方針を示した。開発会社が完成後販売の物件を増やすと、資金回収までの期間が長くなる。完成前の予約販売に比べて建設に必要なコストが2~3割上がるとの試算もある。引き渡し遅延のリスクがなくなる分、消費者の安心感は高まる。ただ値下がり圧力がかかるなか販売が上向いても開発企業が必要な資金を回収して資金繰りを改善させられるかは不透明なところも多い。

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