【都心】中古マンションも価格上昇!新築時の3倍
2024.08.17
都心部にある中古マンション相場が上昇している。東京都で新築時と比べ3倍、大阪市では2倍の物件が登場している。世界の主要都市と比べ割安感があることから外国人投資家からの引き合いが強い。都市部で進む再開発エリア周辺に建つ物件で上昇が目立つ。不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が首都圏や関西地区などを対象に築10年程度の中古マンションの6月末の平均希望売り出し価格を駅ごとに調べ、新築時の販売価格と比較した。東京メトロ六本木一丁目駅(港区)周辺の物件は3.69倍、東池袋駅(豊島区)が3.04倍、新御茶ノ水駅(千代田区)は3.03倍と、3ヵ所で3倍を超えた。3倍超えは調査を始めた2003年以降で初めて。六本木一丁目駅周辺ではマンション向かいに商業施設「麻布台ヒルズ」が開業し、利便性が向上して資産価値が高まった。
「100年に1度」といわれる再開発が進行中のJR大阪駅(大阪市)周辺の物件は新築時の2.4倍となった。価格上昇が目立つマンションは、多くが13年に始まった日銀の「異次元緩和」前後に建設された物件だ。東日本大震災の影響で価格が低迷していた不動産に緩和マネーが流れ込み、デベロッパーがマンションを建てた。23年以降は円安も価格上昇の背中を押した。もともとニューヨークなど世界の主要都市と比べ日本のマンション価格は低かったが、24年に入り一時1ドル=160円台に進んだ円安によって一段と海外の投資家が関心を示すようになった。足元では1ドル=145円前後まで戻ってきたが、年初来ではなお円安水準。好立地の中古マンションの価格上昇は続くとの見方は多い。