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マンション工期3割長く!人手不足・価格上昇要因に

2024.06.16

マンションが完成するまでの期間が長期化している。日本経済新聞の調査によると、首都圏の大規模物件の工期は10年で3割延びた。建設や設備工事関連の人手が不足しており、今後も長期化は続く見通しだ。販売価格の上昇にもつながる。不動産助言会社のトータルブレイン(東京・港)がもつ物件データを基に、総延べ床面積1万平方メートル以上の大規模マンション1097棟(最高階数は60階)の工期を調べた。2010~25年度(24年度以降は完成予定を含む)に1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)で完成した物件を対象にした。

24年度の平均工期は884日と、14年度に比べ3割延びた。1棟当たりの平均延べ床面積も9%増えたが、100平方メートル換算でも3割延びた。マンションは階数に3ヶ月を足すのが常識になっている。工期が延びた主因は人手不足だ。職人の高齢化もあり、建設業の就業者数は23年に483万人と20年間で約2割減った。24年4月から時間外労働の規制が厳しくなるのを見据えて、建設業界は働き方改革に取り組んできた。週休2日に相当する「4週8休」の導入も加速した。建設業の働き手の総労働時間は、働き方改革の議論が活発化した15年以降、1ヶ月あたり4%短くなった。エレベータ―などの設置に必要な電気設備の作業員も不足している。

工期が延びれば総人件費が増え、建設コストも上昇する。その結果、販売価格が上がる。不動産経済研究所(東京・新宿)によると、首都圏の新築マンションの平均価格は23年度に7566万円と、13年度比で51%(2558万円)上昇した。残業規制の適用に伴って建設作業員が不足する「2024年問題」の影響は今後、本格化する。工期はさらに長くなる可能性が高い。25年度は1042日と24年度よりさらに延びる見通しだ。

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