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マンション高騰、都心1億円超え

2024.03.28

東京23区での2024年1月の新築分譲マンションのうち販売価格が1億円を超えるものは全体の約52%と過半を超えた。新築の価格上昇に連動して中古マンション価格も上がっている。

最も価格が高い都心3区(千代田区・中央区・港区)の平米単価は168万円(24年1月)で、13年頃の80万円から約2倍(年率の上昇率では7%台)になった。70㎡のファミリータイプならば1億1760万円になる。城西地区(新宿区・渋谷区・杉並区・中野区)は平米単価126万円なので、70平米なら8820万円だ。しかし、これは中古価格(平均築年数24年)のため新築ならやはり1億円を超える。その他の地域は価格水準こそ都心3区より低いが、過去10年ほどの価格の上昇率は2倍近い。「1億円超えのマンションなんて、超富裕層しか買えない」と感じるかたも多いだろう。しかし、単純に年収と比較するのは正しくない。90年前後のバブルのピーク時は住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)の金利(固定金利)は7%で8000万円借りると30年間の総返済額は1億9161万円、年額639万円、月額53万円にもなった。

一般に無理のないローンの返済額は、所得の30%程度と言われるので、この場合年収が2000万円を超えないと返済が苦しい。ところが今日の超低金利下では、適応金利の優遇があれば0.5%以下の変動金利が一般的だ。優遇適用の条件は、頭金が20%前後ある、返済に支障のない所得があるなどだ。長期固定金利でも2%程度で借り入れができる(全期間固定金利型住宅ローン「フラット35」)仮にローン金利(変動型)0.5%の場合、30年間の総返済額は8617万円とバブル期の半分以下だ。年額は287万円、月額24万円になる。年間所得の30%をめどにすれば、年間約957万円の所得があれば手が届く価格だ。

年間所得1000万円以上の世帯は全世帯の12.6%(厚生労働省「2022年国民生活基礎調査の概況」)だという。全国平均より平均家計所得の高い東京都に限定すれば、年間所得1000万円以上の世帯は、全世帯の15~20%いるだろうと思われる。その層が都心のマンションの購入層ということになる。1980年代頃までと違って、今では共働き・ダブルインカム世帯が圧倒的に増えたので30代でも夫婦2人合わせれば世帯所得1000万円以上という世帯は、珍しくはない。ただし今後、住宅ローン金利が上がるとどうなるか。もちろん変動金利の債務者は金利上昇で返済額が増える。金利が0.5%から例えば1.5%になった場合、年間の返済額は44万円増える(月額では3.7万円増加)。この程度返済額が増えても、年間所得が1000万円を超えている世帯なら対応可能な範囲だろうが、変動金利の債務者は今後の金利の上昇を想定して返済プランを考える必要がある。

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