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FRB利下げはいつ始まる?

2024.01.22

2024年は米国の中央銀行に当たる米連邦準備理事会(FRB)が政策金利の引き下げをめぐって決断のときを迎えそうだ。FRBは全米に12ある地区連銀のトップらと米連邦公開市場委員会(FOMC)を開いて金融政策を決める。FRBは22年春以降、高インフレを鎮めようと険しい山道を登るように利上げを急いだ。実質ゼロ%だった政策金利は1年あまりで5%を超え、22年ぶりの水準に高まった。その後、インフレがようやく減速に転じたため昨年7月を最後に利上げを休止し、パウエルFRB議長は12月に「金利はピークか、その近く」に到達したと宣言した。24年はいよいよ利下げが視野に入る。FOMCでは19人の参加者それぞれの政策金利の見通しを点にして「ドット(点)チャート」を示す。昨年12月の予測をみると、24年末の中央値(真ん中の値)は4.6%、年内に3回の利下げをする計算だ。

インフレ率は参加者見通しだと24年末にかけて目標の2%に近づく。昨年半ば以降の米国のインフレ指標は減速傾向。市場には「インフレは死んだ」とまで言う人たちも出てきた。ただし労働市場は引き締まったままで、賃金の上昇圧力は残り、サービス価格は高止まりしている。目標の2%には近づきつつあるが、最後の詰めである「ラストワンマイル(最後の1マイル)」は厳しいものになるという見方もある。

市場では今年5月までには利下げを始めるとの予想が有力だが、FRBは開始時期をはっきりとは示唆せず、むしろ市場の早期利下げ観測を牽引する場面もみられる。焦点はこの先の物価や景気だ。インフレ減速が確信できれば、早期利下げもありうる。半面、インフレ減速がいったん止まるとみて、しばらくは利下げには動けないという観測もある。

日本への影響は大きい。重要なのは米景気がどうなるかだ。円安就職ですめば日本経済にとってちょうどよいが、米景気が急減速してFRBが利下げを急ぐようなことになれば、急激に円高に向かうリスクも残る。米景気が後退すれば、マイナス金利の解除に踏み切る時期は遅くなるかもしれない。

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