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マンション発売5%減!今年首都圏2.8万戸

2023.12.23

不動産経済研究所(東京・新宿)は21日、首都圏で2023年に新たに発売されたマンションの戸数が前年比5%減の2万8000戸になる見込みだと発表した。コスト増に伴い販売価格が上昇し、マンション各社が高額でも販売が見込める物件に供給を限定する状況が続いている。新型コロナウイルス架で営業活動が制限された20年(2万7228戸)以来の低水準に落ち込む。近畿圏も前年比2割減となる見通しだ。

発売戸数をエリア別にみると、東京23区は1万2600戸と前年比17%増える見通しだ。都心部は総戸数が約1000戸と大規模で、全住戸が1億円以上とされる「三田ガーデンヒルズ」(東京・港)をはじめ、富裕層の底堅い需要を見込んで高額物件が相次ぎ売り出された。対照的に神奈川県(18%減)や埼玉県(41%減)千葉県(7%減)は新規供給が軒並み減った。近畿圏でも大阪市部(20%減)や京都市部(34%減)などで減少する。

発売戸数が減った背景にあるのは、建築コスト増に伴うマンション価格の高騰だ。都心部など好立地の物件以外の需要が見込みにくくなっている。東京23区の新築マンションの平均価格は1~11月で22年比46%高い1億2058万円まで上昇した。神奈川県は同9%高い5879万円、近畿圏は1%高い4683万円まで上がった。多くの世帯にとって手の届きにくい価格帯に突入している。建築コストは直近で上昇を続け、今後完成する物件はより採算が厳しい。需要が多少落ち込んでも、コスト上昇前に着工した物件を簡単には値下げしにくい。

不動産経済研究所は24年の発売戸数は回復すると予測する。首都圏は23年見込み比11%増の3万1000戸、近畿圏は同18%増の1万6500戸と見込む。23年中の販売を見送った物件が24年に上乗せされるためだ。ただ、実際の現場では、24年販売予定分についても、市場環境が悪ければ販売を先延ばしするという声が、すでに上がっている。

今後の焦点は賃上げと住宅ローン金利だ。ニッセイ基礎研究所の小林正宏氏は「原油や電気代などのエネルギー価格もピークアウト感が出るなか、24年以降も賃上げが続けば住宅支出への消費者心理も改善方向に向かうのではないか」と指摘する。

マンション新規購入者の約8割が借りるとされる変動型の住宅ローン金利は0.3%台と低水準が続く。この水準が維持されるか、変わるかでマンション・戸建て住宅の購入心理に大きな影響が出てくる。

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