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中国不動産不況!景気停滞長期化も

2023.12.09

中国不動産問題が混迷を深めている。香港の高等法院(高裁)は4日の審理で、経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団に対する法的整理申し立ての判断を先送りした。会社と海外債権者、当局の利害が対立し再建の行方が見えない。根底には中国政府が進める問題の先送り策があり、かえって景気停滞を長期化させかねないリスクがある。

恒大は中国不動産問題の象徴だ。6月末で2兆3882億元(約50兆円)の債務を抱え、債務超過額は約13兆円に達する。うち約3兆円の外貨建て債務の返済条件見直しを巡る債務者との交渉が難航。海外債権者の1社である投資ファンドから香港で法的整理を申し立てられ、4日に香港高裁で審理を迎えていた。

香港高裁で午前9時半(日本時間同10時半)に始まった審理では、前回まで強硬に法的整理を求めてきた投資ファンド側が、「新たな再編案についての協議に時間が必要」と態度を一変させると法廷を埋めた傍聴者に驚きが広がった。恒大弁護士も「外貨建て債務再編案は一部の債権者から支持を得ており、妥結の余地はある」と陳静芬(リンダ・チャン)裁判官に延期を訴えた。陳裁判官は「関係当局と協議するよう」恒大に求めたうえで、2024年1月29日に再審理することを決めた。

格付け会社に部分的債務不履行(デフォルト)と認定されてから約2年。恒大の経営再建は複雑に交錯する利害関係のなかで見通しがつかなくなっている。

住宅購入者は、購入した住宅の引渡しを強く求めている。政府は恒大を延命させたうえで引き渡しを少しずつ進めさせようとしている。住宅購入者優先のあおりを受ける海外債権者は資金回収のメドが立たない。

中国政府は、恒大以外の不動産会社も法的整理には一貫して慎重姿勢を貫く。資金繰り難に陥っていた中堅不動産開発会社の融創中国控股や中国奥園集団は外貨建て債務再編にめどをつけ、市場では楽観論も浮上する。中国人民銀行(中央銀行)などが11月27日発表した民間経済に対する金融支援強化策は、むやみな融資停止や貸し渋りなどをせず、「民間不動産企業の金融ニーズを合理的に満たす」よう求めた。

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