米長期金利、16年ぶり5%台の高水準
2023.10.23
米長期金利が一段と上昇(債券価格は下落)している。指標となる10年物国債利回りは19日に一時5%台と、16年ぶりの高水準を付けた。上昇幅は直近3ヶ月で約1.3%に達する。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言で金融引き締めが長期化するとの観測が強まり、債券が売られた。
ニューヨーク市内で19日開かれたイベントで講演したパウエル議長は、質疑応答の中で米経済の粘り強さを踏まえ「今は引き締めが強すぎるとは思わない」と語った。
FRBが高金利の状態を長期化させるとの見方が広がり、長期金利への上昇圧力が高まった。国債の需給悪化も金利を押し上げている。バイデン政権の拡張的な財政支出により、財政赤字が膨らむ。政府が米国債の増発を打ち出し、投資家の国債売りが強まった。米連邦議会下院議長の選出を巡る混乱も懸念を強める。
米長期金利の上昇を受け、外国為替市場では幅広い通貨に対してドル買いが進んだ。20日の外国為替市場で円相場は一時1ドル=150円台まで円安・ドル高が進行した。
ただ、日本政府・日銀による円買いの為替介入への警戒感から、150円近辺では円買いが入る場面もあった。