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【8月】住宅用国産木材が上昇!生産コスト高、値上げ浸透

2025.08.31

木造住宅の梁(はり)や柱に使う国産木材の8月の取引価格が上昇した。梁材となる製材品は前月比4%、同じく梁材となる集成材も2%高い。製材会社が生産コストなどの上昇を理由に打ち出していた値上げが浸透した。高止まりしている住宅建設費をさらに押し上げる可能性がある。製材品で梁材に使う米松KD(乾燥)平角(4メートル×10.5センチ×30センチ)の東京地区の取引価格は1立方メートル8万2000~8万4000円。中心値で前月比3000円(4%)高くなった。上昇は1年9カ月ぶりだ。

米松製材品の国内最大手である中国木材(広島県呉市)は原料の丸太価格や運送料の上昇を理由に4月に製品価格の引き上げを打ち出した。最大手が強気の値上げ姿勢を見せたことで、問屋など流通事業者は値上げを受け入れた。木造住宅の建設では製材品に一定の強度が求められ、代替品を調達しにくい。梁材として競合する集成材も値上げが浸透した。集成材の指標となる集成平角(4メートル×10.5センチ×30センチ)の東京地区の取引価格は1立方メートル8万4000円(中心値)。前月比1500円(2%)高い水準だ。上昇は1年1カ月ぶりだ。柱に使う集成管柱も1本あたり2700~2800円(8%)高い。集成材の値上げの要因は、メーカーが欧州から輸入する原料の板材「ラミナ」の対日価格が4~6月期まで2四半期連続で上昇したことだ。対ユーロでの円相場の下落もあり、円建てラミナの調達負担が重くなった。集成材加工に使う接着剤などのコスト高も重なり、メーカーの採算が悪化した。ラミナの対日価格は7~9月期に下落したが、今回の集成材相場の値上がりは、それまでのコスト上昇分を踏まえた値上げが通った。木材の需要は伸び悩んでいる。6月の木造住宅の新設住宅着工戸数は前年同月比12%減だった。4月の改正建築基準法施工を受け木造建築物の建築確認の対象が広がり、中小の工務店による着工が減少。建築確認の審査に時間がかかることも着工減につながっており「製材品の荷動きは鈍い」(木材問屋)のが現状だ。工場従業員の賃金引き上げや設備投資費などの負担増によって、メーカーのコストは高止まりしている。木材の値上がりは一段と建設費を押し上げる要因となる。コスト高が住宅価格に転嫁されれば、消費者の住宅購入意欲の低下につながりそうだ。

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