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潤う不動産税収!取得税、昨年度17年ぶり高水準

2025.07.24

地価の上昇を受け、不動産の売買や所有にかかる税収が増えている。2024年度は不動産取得税が17年ぶりの高水準となり、固定資産税は過去最高を更新した。税収の増加は財政を下支えする一方、相続や住宅ローンを巡って税負担の軽減に向けた議論が盛り上がる可能性がある。不動産は購入、所有、売却の各段階で税金がかかる。総務省によると、購入時に都道府県に納める不動産取得税は24年度に4546億円となった。前の年度に比べて3%増え、不動産ミニバブル期の07年度(4845億円)以来の水準に回復した。地価が上がったことで課税額の基準となる不動産評価額が上昇し、取引件数の増加も寄与した。行政手続きの手数料収入も増えた。該当する国の印紙収入は1兆442億円と3%増え、6年ぶりの高い水準となった。収入の内訳は公表されていないものの、財務省によると、不動産取引が活発になったことで所有権を移転する際の登記にかかる登録免許税が増加した。紙の印紙税はデジタル化で減収基調にあり、登録免許税が補っている。

不動産の所有者が市町村に払う固定資産税は9兆9556億円と2%増え、3年連続で過去最高となった。市街地にある土地や建物の所有者に上乗せする都市計画税は1兆4402億円と2%増え、こちらも過去最高を更新した。国に納める相続税は3兆5523億円で、過去最高だった23年度の3兆5663億円に次ぐ規模だった。要因としては地価上昇が大きい。株高による株式価値の向上も税収を押し上げた。相続税の算定基準となる路線価は25年に、全国の標準宅地の平均変動率が4年連続でプラスとなった。高齢化で亡くなる人が増えていることもあり、今後も税収増加が見込まれる。

税収の拡大は国や地方自治体の財政を下支えする。ただ、都市部ではマンションなどの価格が高騰し、若年層が住宅を購入しづらい状況が続く。お金を借りて物件を買った人の所得税を軽くする「住宅ローン減税」は2025年末が期限で、制度の継続の是非は26年度税制改正のテーマのひとつとなる。相続税を巡っては過去に、地価の上昇局面で課税の最低ラインにあたる基礎控除を引き上げてきた経緯がある。15年にはバブル期以降の地価下落をふまえ、控除額を引き下げた。消費税増税への不満が高まるなか、富裕層の課税を強化する狙いもあった。15年の制度改正以降、亡くなった人に占める課税対象件数の割合は5%程度から、足元では1割程度に上昇した。地価が上昇基調に転じたことで、控除引き上げの議論が再燃する可能性がある。亡くなった人の自宅を相続する際、相続税を払えず同居していた配偶者らが家を手放すことを防ぐ仕組みの充実を求める声もある。

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