【23区】中古マンション1億円超
2025.06.29

不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が23日に公表した5月の中古マンションの平均希望売り出し価格は、東京23区で前月比3.1%高の70平方メートル当たり1億88万円だった。同社の集計では、東京23区の平均として初めて1億円を超えた。都心で築年数の浅い物件の売却が増えて、平均価格を押し上げた。前年同月比では36.6%上がった。中央区や港区など8区で1億円を超えている。調査は事務所や店舗用を除いた専有面積が30平方メートル以上のファミリータイプの物件を対象としている。東京都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)が価格上昇をけん引する。都心6区は前月比1.7%高の1億6341万円だった。高値がつきやすい築浅物件の供給が相次ぎ、相場を押し上げた。平均築年数は23.6年と前年同月と比べて3.7年短くなった。
国内外の富裕層の投資マネーが流入する都心6区では、売却益を求めて物件を手放す動きが増えている。不動産情報サイト「マンションレビュー」を運営するワンノブアカインド(東京・港)のデータを基に集計したところ、築2年未満の物件の売り出し件数は24年に1400件を超え、23年の2.5倍となった。25年は5月末時点で350件を超えた。例えば、東京五輪・パラリンピック選手村跡地マンション群である晴海フラッグ(東京・中央)や三田ガーデンヒルズ(東京・港)などが販売されている。一方、東京カンテイの高橋雅之・上席主任研究員は「都心6区では流通戸数が積み上がってきており、供給が需要を上回り始めたのではないか」と指摘する。直近3カ月間で1度でも値下げした物件の割合も34%と高かった。東京カンテイの調査では、城南・城西6区(品川・目黒・大田・世田谷・中野・杉並)は前月比1.4%高の8475万円、城北・城東11区は前月比3.5%高の6572万円だった。首都圏(1都3県)は前月比2.6%高の5679万円で過去最高を更新した。東京都が3.5%高の8599万円とけん引した。神奈川県は1.4%高の3936万円、埼玉県は横ばいの2960万円、千葉県は0.8%高の2791万円だった。