マンション建築費最高!職人不足で人件費増
2024.10.13
建設物価調査会(東京・中央)が発表した9月の東京地区の建築費指数によると、マンションの建築費が過去最高を更新した。人手不足を背景に型枠工や左官といった専門職人の人件費が上がり、全体の建築費を押し上げた。鉄筋や鉄骨など資材の価格上昇はいったん落ち着いているものの、マンション建設のコスト上昇に歯止めがかかっていない。同調査会社はマンションのほかオフィスビルや工場など建物の種類別に工事原価を指数化し、毎月公表している。鋼材やコンクリートなどの建設資材のほか、それらを組み立てる作業員の人件費など項目ごとにコストを計算している。マンション(鉄筋コンクリート造)の指数(速報値、2015年=100)は9月に133.9と、前月から1.2%上昇した。最近はほぼ毎月のように過去最高を更新する上昇基調が続き、1年前に比べると6%高い。9月の同指数を前月比で押し上げたのは人件費高だ。内訳をみると、生コンクリートの打設に必要な型枠工事にかかる人件費と材料費の指数が前月比で上がり、全体のコスト高に大きく寄与している。
国土交通省の「建設労働需給調査」によると土木や建設に関わる対象職種のうち、「型わく工」の不足が関東で顕著だ。「最近は半導体関連施設などができた地方への派遣依頼が多く、単価が高い案件も目立つ。単価が高い案件も目立つ。関東で人手が不足する要因になっている(吉田専務)」マンション建築での職人不足は他の分野でも深刻だ。建設現場で鉄筋を組み立てる職人のコストも前月比で上がったほか、「壁などを塗り上げる左官の施工費も指数上昇に寄与した(建設物価調査会)」