マンション昨年1億円!
2024.01.28
新築マンションの価格高騰に拍車がかかっている。不動産経済研究所(東京・新宿)が25日発表した2023年の平均価格は、東京23区が前年比39.4%上昇の1億1483万円と、データーを遡れる1974年以降で初めて1億円を突破した。用地取得費や建築コストが上昇し、販売価格が上がっている。
首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)の平均価格は28.8%上昇し、8101万円だった。発売戸数は前年比9.1%減の2万6886戸と1992年以来の水準に落ち込んだ。東京23区の直近5年間の上昇幅は60.8%に達する。神奈川県の11.2%、埼玉県の13.1%と比べ上昇幅が際立つ。販売初月の契約率は東京23区が71%と、好調の目安である70%を2年ぶりに上回った。神奈川県(68.5%)や埼玉県(61%)は前年を下回った。
建築コストの上昇により、マンション各社は郊外で手ごろな価格の物件を出しにくくなっている。このため各社は、価格が高くても高所得者を中心に一定の需要が見込める都市部の販売を拡大している。
野村総合研究所によると、世帯の金融資産(不動産購入などによる負債を控除)が1億円以上の富裕層は21年に148.5万世帯と、推計を開始した05年比で7割増えた。資産のリスク分散や節税対策でマンション購入が選ばれている面もあり、今後も資産性が高い都心部では高額物件の引き合いが強まるとみられる。