省エネ住宅に手厚い補助!
2023.12.18
2025年4月に住宅の省エネ基準適合が義務化され、さらに遅くとも30年にはその基準が「ZEH(ゼッチ)水準」に引き上げられる。省エネ基準からさらに20%消費エネルギーを削減するのがZEH水準で、当面の住宅市場はこの水準を達成するのが目標となる。
日本の住宅の省エネ性能は、諸外国と比較して低いといわれている。国土交通省の資料によると、18年時点で省エネ基準を満たしている住宅は全体の1割と推計されていた。国は、新築・既存それぞれの住宅の省エネ性能を高めるために、様々な施策を講じている。消費者にとってわかりやすいのは税控除や補助金の構成だ。これらは住宅の省エネ化を推進したい国から、消費者や事業者への「メッセージ」と考えることができる。
まずは税控除(23年の段階)新築の場合、住宅ローン控除額が最も大きいのは長期優良住宅と低炭素住宅で、次いでZEH水準を満たした住宅が手厚くなっている。23年12月末までの入居だと、最大控除額は長期優良住宅・低炭素住宅で455万円・ZEH水準で409万5千円・省エネ基準適合住宅で364万円・その他の住宅で273万円と差がある。
補助金は「こどもエコすまい支援事業」の後続で「子育てエコホーム支援事業」が実施される。子育て世帯・若者夫婦世帯による省エネ性能が高い新築住宅の取得や、既存住宅の省エネ改修などを支援する事業だ。長期優良住宅を新築した際には100万円、ZEH水準住宅の場合は80万円の補助がでる。一連の税控除や補助の内容をみると、ZEH水準を達成する住宅をいかに増やしていくかに国の政策がシフトしていることが分かる。
既存の住宅では、省エネ化のリフォームへの補助が手厚い。その一つが「先進的窓リノベ事業」だ。高性能の窓への交換や内窓の設置に補助金が出る制度で、全ての既存住宅が対象になる。補助は費用の2分の1相当、上限は200万円。リフォーム会社の見積もりによっては実質的な自己負担が2~3割になるケースもある。
この制度は23年から始まり、当初は申し込みが殺到して窓の製造が間に合わないほどの人気ぶりで、24年も延長して実施することが決まった。二つ目の補助対象は「給湯省エネ事業」住宅で使うエネルギーの4分の1は給湯が占める。省エネ効果が高い給湯器への交換について、一定額の補助金が出る。この事業も24年に延長される。
さらに「既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業」も実施される。従来の給湯器から、「エコジョーズ」と呼ばれる潜熱回収型ガス給湯器とエコジョーズの取り換えると、追いだき機能なしで5万円、ありなら7万円補助される。