中国マンション予約急減・完成前に契約販売11%減
2023.12.09
中国のマンション購入で完成前に売買契約を結ぶ予約販売の物件を敬遠する動きが広がっている。新築販売面積に占める比率は6年ぶりの低さとなった。不動産会社の資金不足で建設中に工事が止まる例が相次いだためだ。ただ完成後販売の物件は資金回収までの期間が長く、不動産会社の資金繰りを逼拍させる要因になりかねない。
中国国家統計局によると、1~10月の新築住宅販売面積は前年同期より6.8%少なかった。減少率は1~9月から0.5ポイント拡大した不動産不況が改めて浮き彫りになったが、販売形態によって好不調は異なる。
予約販売は同11.4%減だった。2022年通年で3割減り、23年も大幅な落ち込みが続く。対照的に完成後販売は同21.9%増と好調だった。予約販売の比率は82%となお主流だが、17年以来の低水準となった。住宅を購入する際、多くの国では事前に手付金を払うが、住宅ローンの返済は物件の引き渡し後に始まるのが通例だ。対照的に、中国では竣工前に手付金の納付とともに、住宅ローンの返済が始まる例が多い。不動産会社が資金不足に陥り、工事の中断が相次いだ。「ローンは返済しているのに、買った家に一向に住めない」という引渡しの遅れが社会問題となり、遅延リスクがない完成後販売の住宅に人気が集まった。